保育園の調理補助は無資格で勤務ができる人気の職種です。
調理師・栄養士の指示に従い清掃や食材の下ごしらえを行います。
子ども達の食育にもつながる調理補助で調理のスキルを磨き資格取得も目指せます。
ここでは保育園の調理補助に求められるスキルや仕事内容、向いている人など魅力を解説します。
調理補助とは
調理補助の仕事はその名の通り、調理をする人の補助を行います。
作業がスムーズに出来るよう、使用する調理器具やお皿の準備、野菜や魚の下処理などです。
簡単な盛り付けも調理補助の担当となります。
事業所によっては食事の配膳や後片付け、食器類の洗浄も調理補助の仕事となります。
詳しくは調理補助とは?をご覧ください。
保育園の調理補助ならではの特徴
食事だけでなくおやつ調理も含まれる
保育園では幼稚園よりも保育時間が長いため、お昼寝やおやつの時間があります。
保育園で提供されるおやつの内容は園によって違いがありますが、
おやつを取る目的「食事で足りない栄養を補う」ことと食を通して「コミュニケーション」能力を培う事です。
おやつの主な目的は朝昼晩の3食で補いきれない栄養を取るためです。
幼児は消化や吸収機能が未熟で、胃は大人の3分の1ほどの大きさと言われています。
そのため、一度に食べられる量はとても少なく朝昼晩の3食ではまかなえない栄養素やエネルギー、水分をおやつで補っています。
また、乳幼児は、発達段階に適した栄養やエネルギーの摂取ができないと身体の発育を妨げてしまいます。
このことは厚生省の「保育所における食事の提供ガイドライン」で解説されているほど重要です。
保育園ではこういったおやつの調理補助も含まれます。
子どもと接する機会が多い
園によっては園内行事に参加して子ども達の前に出て話したり、食育として一緒に調理体験をする機会もあります。
「今日の給食はなぁに?」と給食を楽しみにする子ども達から話しかけられる事もあり、直接、子ども達と関わる機会もあります。
また、職場の保育士さんから、子どもが苦手な食材が食べられるようになった、離乳食から幼児食への移行がうまくいっているなど、食を通して子どもの成長を聞く事も多くあり、子どもの成長や笑顔を身近に感じられる事は給食調理員の最大の魅力と言えます。
保育園の調理補助に向いている人の特徴
料理が好き
調理補助は子どもの給食やおやつの調理があります。
子どもが楽しみにしているクリスマスはハロウィンといったイベント時には特別メニューを用意する事もあります。
日頃から食に興味を持ち、料理の盛り付けや季節ごとの旬な食材を知っているなど、調理がすきな人は楽しく働けます
子どもが好きで、コミュニケーションが楽しめる
子どもが好きであれば、自然と子ども達の事を考え、どういった切り方をすればいいか、どのくらい煮込めがいいかも分かってきます。
全く子どもに興味がない人よりも調理方法の理解がしやすく、効率よく調理をする事が出来ます。
また、子ども達から元気な声で挨拶をしてくれたり、園内行事で子どもと接する機会もあり、子どもとのコミュニケーションが多くあります。
子ども以外にも同じ調理場のスタッフや保育士さんと子どもの食に関する情報を共有する事が必要となります。
他の職員と協力し合いながら子どものために頑張れる人は向いていると言えます。
アレルギーに対する細やかな配慮が出来る
子どもがアレルギー食材を口にしてしまうと症状が重篤化してしまう場合もあるので細やかなアレルギー対応が求められます。
保育士さんと情報を共有し、調理室での準備や調理には最新の注意をはらいアレルギー除去食を準備します。
まな板や包丁などの器具は専用のものを使用するなど、細やかな配慮が必要となります。
作業の時間管理や優先順位を考慮できる
調理補助の仕事は食材の下処理や味付け、調理器具の準備、器具の洗浄など様々な業務をこなしていかなければなりません。
保育園では昼食だけでなくおやつも提供するので時間配分と仕事の優先順位を考えながら行動しなければなりません。
作業時間の組み立てを考えながら業務に当たれる人は楽しみながら業務にあたれます。
お子どもならではのトラブルにも臨機応変に行動できる
子どもの欠席で給食やおやつの数が急遽変更になったり、職員の体調不良によって通常よりも少ない人数で業務をおこなう事があります。
想定外の状況にも対応しなければならない場面が多々あり、こういった臨機応変な行動がとれる人は調理補助の仕事に向いていると言えます。
衛生管理の意識が高い
子どもが日々安心して食事がとれるように安全な食事を提供する事が求められます。
そのため、保育園にもよりますが衛生ルールが細かく分かれており、毎朝の体調チェック、月に1回の細菌検査、調理器具の消毒や食材の洗い方、マスクや手袋、帽子の着用など、安心・安全の給食を届けるために徹底した衛生ルールを守る必要があります。
そのため、衛生管理への意識が高い人は保育園側も安心感を持って業務をお任せできます。
丁寧な対応が出来る
子どもが食べたいと思えるような給食をつくるために、どんなに時間に追われていても丁寧な作業を行う事が大切です。
食材や食器類の取り扱いを丁寧に行う事はもちろん、盛り付けもきれいに行える人は調理補助に向いていると言えます。
保育園で働く調理補助員の1日の流れ
9:00
出勤
健康チェック・手洗いうがい・白衣への着替え
調理器具などの準備
10:00
食材の下準備、カット
11:00
調理
12:00
配膳
13:00
食器洗浄、消毒・おやつ準備
14:00
おやつの調理
15:00
おやつの配膳
16:00
調理器具の洗浄、消毒
17:00~
翌日の打合せ
退勤
保育園によって異なりますが、基本的には9時頃から準備を始め、12時頃までには昼食を作り終えます。
その後、昼食で使用した器具や食器の洗浄、おやつの調理が始まります。
おやつの配膳が終わった夕方頃に調理器具の洗浄や消毒、翌日の確認をしてて業務終了となります。
保育園の調理補助として働くうえで大変なこと
食中毒対策
食中毒を防ぐ為に手洗いや調理器具などの消毒、食材の保存方法など、衛生管理は細かく決められています。
食の安心・安全のための大切なルールですが、覚えるまでは慣れなく、難しいと感じてしまいます。
アレルギーのある子どもの食事管理
栄養士と連携しながらアレルギー対応を間違えないように注意して調理や配膳を行いますが、万が一、アレルギー対応を間違えてしまうと重篤化してしまう危険もあります。
その為、アレルギー対応には最新の注意をはらい、子ども達の食物アレルギーをしっかりと把握する事が求められます。
時間に追われる
昼食やおやつの時間は子ども達の規則正しい生活の習慣づけにもなっているので、決められた時間に食事が提供できるよう作業のスピードも求められます。
また、保育園では昼食とは別におやつの提供もあるので、昼食が終わればおやつの準備がはじまり、2回目の調理作業が行われます。
そのため、慣れないうちは時間に追われて大変と感じるかもしれません。
子どもの年齢にあわせた料理に手間がかかる
子どもが食べる食事なので1食あたりの量は少ないですが、同じメニューでも3歳児、2歳児、1歳児と成長に合わせて野菜の切り方も変えたり、離乳食は全て細かくすりおろしたりと下準備に時間がかかります。同時並行で3~4種類のおかずを用意し、昼食が終われば昼食の片付け、おやつの準備と調理がはじまります。
忙しい中でも食中毒やアレルギー対応をしっかりと行わなければならない所が大変な部分ではありますが、やりがいにも繋がります。
季節による調理場の環境がつらい
調理場にはコンロやオーブン、食洗器などの機械もあるので夏の調理場での作業はつらく感じるかもしれません。
また、冬場は冷凍食材を触ったり、水が冷たく野菜を洗うのがつらく感じるなど、季節によって調理場の環境が厳しく感じるときがあります。
保育園の調理補助として働くやりがい
子どもの食の成長を感じる事ができる
離乳食の子どもが幼児食へ移行する、苦手な食材が食べられるようになったなど、
子どもの食生活における成長を感じられれば、調理補助の仕事にやりがいを感じます。
調理の上達を実感できる
子どもが食べる料理は年齢にあわせて切り方を変えるので、包丁さばきが上達したり、
時間内に食事の提供をしなければならないので段取りがよくなったりと、調理の上達が実感できます。
また、保育園では離乳食の作り方や季節の食材を使った料理、イベント食など、子ども達が喜ぶ盛り付け方などを身に着ける事が出来ます。
料理のレパートリーが増える
保育園では行事でイベント食を調理したり、美味しい食材の組合せを覚えたり調理補助の仕事を通して自分が知らなかった食材や調理法を知る機会もあります。
自分の生活にも役立つことが増えれば得意料理も増え、仕事のモチベーションアップにもつながります。
子どもから「美味しかった!」と喜んでもらえる嬉しさがある
保育園にもよりますが、子ども達の食事の様子を見られるので笑顔で食べている姿や「おいしい!」と喜ぶ姿を見る事が出来ます。
子ども達の姿を直接見る事が出来なくても食べ残しの量によって美味しく食べてくれているかが分かるので、調理補助の仕事に喜びを感じられます。
保育園の調理補助の仕事は無資格でも出来る?
保育園の調理補助は、調理場の消毒・清掃などの環境整備から食材の下ごしらえ、食器の洗浄など、業務は資格がなくても行えるため、無資格や未経験からでも始めやすい職種です。
雇用形態もパートやアルバイトとして求人募集をしていることが多く、スキルや社会人経験などを問われることはほとんどありません。
保育園の調理補助では子ども達が喜ぶ盛り付け方法や、調理方法、食育に触れ、得られる知識や経験も多くあります。
また、一定の実務経験を満たせば、調理師免許取得の受験資格を得られることから、見習いとして調理現場で働く人もいます。
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